寺社千里行その2 横山神社と塩屋別院etc.

寺社千里行その2!

こんなこと言うのもあれだけど、続かないと思ってたから、続いただけでもほめてほしい。

ブログに起こすのがね、しんどいんだわ。うん。

行くだけならね、健全な足さえあればどうにかなるんだけどね。

 

なんていうぼやきは置いておいて、今回訪れた寺社を紹介します。

 

 

1. 横山神社(767-0002 香川県三豊市高瀬町新名125)

こちらが今回の目玉!

いや、一発目から目玉を持ってきて大丈夫か??って感じなんですけど、実際に自分が訪れた順番で紹介していくので許してちょんまげ。

横山神社は、JR高瀬駅から約1.6km。徒歩15~20分くらいのところにあります。

商店街を抜けて、川に沿って歩いたらすぐなので、比較的アクセスは良いと思います。

ここで横山神社についてちょこっと紹介。

横山神社の祭神は天手力男命(あめのたぢからおのみこと)。有名な天岩戸の神話で、天岩戸の扉を開けて天照大神の手を引いて導き出し、この世に太陽の光を復活させた神さまです。

享保十五年(1730)の棟札があるそうなので、最低でも300年近い歴史があるんですね。

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後ろの山は葛ノ山というそうです。

ここから階段を約70段のぼっていきます。

ここを訪れた目的は、本殿の脇障子の彫刻を見るため。

無事にみられるかドキドキします。工事中だったらどうしよう。ネットが張られてたらどうしよう。心配が絶えません。

 

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よかった! 見れそうだ!

というわけでまずは拝殿におまいり。写真を撮ったりするので、いつも以上に丁寧に。それでもびくびくしちゃうんですけどね。真正面からは撮らないとか、自分の中で折り合いをつけないと罪悪感で結構しんどい。

御記帳があったので、名前を書きました。地元の方が、かなり頻繁に来ているみたいでした。愛されてる神社っていいよね。

 

さて、本殿へ。この時が一番緊張する!!

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(声にならない叫び)

ぎゃんゔ(関羽)!!!!!!!!

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過呼吸

……いや違うんだ、まだ反対側確認しなきゃ。

張飛がいるとは限らないじゃないか……。

 

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f:id:Kakousou:20210511224023j:plain多分この時のために生きてるんだと思う。(悟り)

 

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本殿の背面はこんな感じ。

 

それぞれの拡大写真。

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関羽

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張飛

 

何なに? 関羽張飛の背中にある板が気になるだって?? 素晴らしい!

2人の背中にある文章は同じだから、よりはっきりしている関羽のほうを拡大。

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大字おおあざ新名しんみょう

)

願主

山下吉三郎

 新名は神社がある地域の地名です。

今でこそ「三豊市新名」と「大字」とか「字」は抜いた呼び方をしますが、本殿が再築された明治十四年(1881)は「大字」を入れて呼んでいました。「上高瀬村大字新名」とかそんな感じかな手元に明治の資料がないから定かではないけど。

本殿の彫師さんはわかりませんでしたが、拝殿の裏にこんな札がありました。

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拝殿の再築は嘉永六年(1853)だから、本殿の彫師さんとは違う方だろうけど、拝殿の彫刻もとってもきれいでした。

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拝殿の彫刻。全体的に丸みを帯びたフォルムがかわいい。

 

本殿には脇障子の彫刻のほかに、飾り瓦がありました。

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何に見えます?(意味深)

なんでしょうね笑 正直なところわかりません。正面から見えないんです。

関羽だったらいいなあ、くらいで濁しておきます。

 

最後に余談ですが、祭神の天手力男命は怪力の神様。だから同じ怪力ということで関羽張飛が脇障子のモチーフに選ばれたのかもしれませんね。
 


2. 本願寺塩屋別院(〒763-0065 香川県丸亀市塩屋町4-6-1)

 二つ目に訪れたのは三国志ファンの間ではおなじみ(?)な塩屋別院です。

三国志研究会第6回オンライン例会でKyo(教団)さんが紹介していた寺社の一つで、山門の彫刻に三顧の礼が描かれています。

Kyoさんのブログはこちらから↓

kyoudan.hatenablog.jp

 塩屋別院は、JR讃岐塩屋駅から800m、徒歩10分くらいのところにあります。

電車の窓から見えるくらい近いし、大きいんです。

何よりうれしいのが、いつでも彫刻を見ることができること!!

山門が閉じていても見える位置に彫刻されているので、安心して行けます。寺社巡りをしていたら三回に二回はお目当てのものが見れず、空振りますからね。(あくまで個人の感想です)

 

さて、一応写真は撮ったんですけど、ここに関しては写真では伝わらないと思うんだ……。でもまあ見せますね。

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どうして伝わらないか。

私も行くまでは、ただの彫刻だと思ってた。

でも行ったら、想像していたのと全然違ったんですよ。

でかい。とにかくでかい。

本当に息が止まったかと思いました。ひぇ……。

多分、香川のどの寺社よりも、一枚絵としては、ここの彫刻が大きいんじゃないかなっていうくらい大きい。

香川の人は絶対見ましょう。県外の方もコロナが終わったら見に来てください。

 

3. 天満天神社(〒763-0066 香川県丸亀市天満町2-1-3)

塩屋別院のご近所の神社です。

この神社は拝殿内に絵馬と、本殿の脇障子に彫刻もあります。

 

境内に入っていったら、後ろを野良犬が走っていきました。神社に野良猫はつきものですが、野良犬は最近あんまり見なくなりましたね。

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拝殿内の算額と絵馬。

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下側にはアルファベットが並んでいる。珍しい。

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絵馬の奉納日を神武紀元で書いてあるのは珍しい。

紀元二千五百六十歳だから、660を引いて、1900年。

帽子の形が中国っぽいから日清戦争の絵馬かな? 年代的にもしっくりくる。

中国風の帽子がなければ竹槍騒動という線もなくはないけど、可能性は薄いかな。

(竹槍騒動については、寺社千里行その3で説明するよ)

それにしてもきれいすぎる気がする。ずっと拝殿の中にあったからかな。

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三十六歌仙かな

 

全体的に、絵馬の保存状態が、ものすごくいい。

全ての神社の絵馬がこうならいいのに……。(贅沢言うな)

 

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脇障子はこんな感じ。

松竹梅は脇障子によく用いられるモチーフ。

細い枝の部分とか、折れやすいのに、ちゃんと残ってるのがすごい。

 

境内のほかの二つの神社もとてもきれいに保たれていました。

管理が行き届いている寺社を見るとうれしくなる。

 

4. 加茂神社(〒764-0026 香川県仲多度郡多度津町南鴨辻384)

この神社には、たくさんの絵馬が奉納されています。

桃園三兄弟の絵馬と、趙雲の単騎駆けの絵馬もあるそうです。

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Kyoさんが訪れた時も開いていなかったと聞いていたから、ダメ元だったけれど案の定開いていませんでした。

一番近いのがJR多度津駅で、加茂神社まで2kmほど。ちょっと歩くけど、2kmで済むならラッキーだと思う。平地だし。(この二週間後に別の神社で、「歩いたらつくんだから楽な仕事やわー」って余裕ぶっこいて地獄を見ることになるのは、また別のお話)

 

絵馬は見られなかったけど、かわいい飾り瓦を見ることができました。

加茂神社だけに鴨、というだけでなく、ここの地名「南鴨」もかけているんだろうな。

建物の威圧的な雰囲気を、うまく中和している気がする。

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5. 道隆寺(〒764-0022 香川県仲多度郡多度津町北鴨1丁目3番30号)

四国霊場第77番札所、道隆寺

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私が訪れたのは4月27日だったのですが、4月29日から5月9日まで、こんなイベントをしていたらしい。

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コロナの関係で、手水舎を使用禁止にしている寺社も多いと思うから、花手水は広まってほしいな。

 

私が訪れたときはちょうど花手水を作っている時でした。

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トラックから色とりどりの花をおろして実際に生けながら、構想を話し合ってらっしゃいました。

たしか、Googleマップに誰かが今年の花手水の写真を上げていたから、気になる人は見てほしい。この写真の花手水とは全然違うデザインになっていて驚いた。なんていうかすごく3Dだった(語彙力ゼロ)。完成したのを見に行きたかったなあ。

 

道隆寺の山門には、三枚の絵馬がかかっていました。

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右下の部分以外は、剥がれて下の板がむき出しになっています。

字を掘った上に絵を描いていたのでしょうか。字の大きさ的に、こういうデザインだったとは考えにくいから、元々は見えなかったんだろう。

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これは右下の部分の拡大。

箱枕だなあ……ってそこじゃないか。ただでさえ体調悪いのに、箱枕とか、絶対にヤダ。昔の人はすごいな。

 

本堂の彫刻も細かくてきれいでした。

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境内神社の妙見宮にも参拝しました。

拝殿内には絵馬がありました。

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終わりに

あー!! やっと終わった!!!!

長かったわ。本当に長かった。途中で口調が変わってる気がするけど気にしない。

肩が痛すぎて推敲する気力がねえ……。明日やろう……。(結局一か月くらい寝かせた)

 

千里行のルールはとにかく直線距離を足していくこと。どう考えても最短距離じゃねーだろって感じでも、自分が訪れた順番に足していきます。

前回の終わりが石清尾八幡宮だったから、

石清尾八幡宮→横山神社+横山神社→塩屋別院+塩屋別院→天満天神社+天満天神社→加茂神社+加茂神社→道隆寺

となります。

これを計算すると、

33.87+12.33+0.39+2.07+0.82=49.48km

千里行ぽくなってきた!笑

 

それじゃあ次回もお楽しみに!

大波乱の三回目になるぞ!!(足とメンタルが死亡)
※大波乱ではありますが、三国志は出てくるので安心してください。

 

参考文献

香川県神社誌 下巻』(横山神社はP344)

『加茂神社覚書』