大原美術館!!!!!

大原美術館に行ってきました。

お目当てはもちろん………
\\\\\\\\\東洋館/////////
そうです。東洋館です。
本館も楽しかったけど、西洋画・日本画の知識はほぼ無いに等しいので、すごーいしか言えない自分にひたすら呆れてました。ちゃんと予習してまた行こう。

順路としては、本館→工芸・東洋館という感じ。分館は構造上ソーシャルディスタンスが取りにくいということで、休館していました。

さて、お目当ての東洋館。
サイトで確認したところ、中国関係の所蔵品は約200点。(所蔵品一覧をちまちま数えた笑)
もちろんその全てが展示されているわけでは無いのでしょうけど、実際に見ていても意外とたくさんあるなぁっていう感想を抱きました。


東洋館の前に本館と工芸館から一作品ずつ紹介。

白髪一雄「赤壁

三国志が好きな人なら、このタイトルを見た瞬間、「赤壁……………だと?」ってなるじゃないですか。まあ私もそうなったんですよ。でも流石に、なんでも三国志に結びつけるのはナンセンスでしょ、と思った。思ったよ?でも、いやぁ…これは赤壁やわってなりました。

白髪一雄はフットペインティングという、天井からつってあるロープに掴まって、床に置いてあるキャンバスに足を使って描くという手法を考案し、70歳まで、この手法にこだわり続けた人です。

赤壁」もこの手法で描かれた作品の一つで、作品の重量がすごい!
大量の絵の具を使って描かれているので、油絵というより、もう完全に立体の作品です。
真っ赤な絵の具の、足によって生み出される躍動感は、あの"赤壁"そのものというよりかは、船を飲み込む炎の渦のような感じで、ぐわっと迫ってくるような緊張感は、やっぱ実物を見てもらわないと伝わらないかなぁ。あ"ー語彙力がなくてごめんなさい…………。

フットペインティングが用いられているので、よく見ると、足指の形が残っているらしいですよ。*1
知らなかったので見てなかったのが残念。
この間ツイートした、知らなかったら観察できないのくだりをこんなところでも痛感するとは……。反省。

ところで。
白髪一雄の有名な作品。皆さんご存知ですか?
それは「水滸伝豪傑シリーズ」!!!!!!
108人の登場人物の名前がつけられた、全108点のシリーズです。
9月30日まで「FM VIRTUAL」で展示されてたので、もしかしたらオンラインで観た人もいるかな?
詳しくはこちら。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/22421

そんな感じで、実は、作品のタイトルを水滸伝とか、三国志演義からとってたりもするんです。
となると、「赤壁」もやっぱり三国志から………?っていうのは邪推かもしれませんが、少なくとも、この作品も三国志から、何らかの影響は受けてるだろうということが分かって、少し嬉しくなりました。

富本憲吉「金描自作模様集」1950

富本憲吉は陶芸家です。
この「金描自作模様集」は本です。
彼が考えた図案とか模様とかを右ページに金色のインクで描いて、左ページに解説を書いてるみたいなかんじになっていました。

ショーケースのなかに展示されているので、全ページが見られるわけではないのですが、たまたま開いていたページに気になる単語を発見。

「(前略)描いた後、米国の何処ぞの所蔵の漢代画像石に、この三ツの塀と同じ構図のものがあるのを知った。」

割と達筆だったので、解読難しかった苦笑。合ってるかわからないけど、まあそんなことはどうでもいい。(ごめんなさい)

問題はここだ。「漢代画像石」。
画像石?あの画像石ですか?
後漢以降の、地下に石で造った墓の壁面にさまざまな絵を彫ったあの画像石のことですか?
でも、画像石ってそんなスラーっと出てくる単語なんですか?陶芸家さんって博識ですね。

この図案。三つの塀が並んでて、後ろにポプラの木が生えてるみたいな感じになってたんですけど、漢代画像石……………わかる方いらっしゃいますか?(調べても全然出てこなかった。)
気になるーーー!!!!


さて。本館も工芸館も堪能したので(?)、本命の東洋館に参りましょう!

工芸館から廊下を渡ると東洋館に……………って「うおっ⁈」
\\\\\\\BUTSUZOU☆///////
そうなんです。東洋館って入ってすぐ、仏像ドーン!で仏像の頭に囲まれるとかいう割と新鮮なホラー体験ができるんですよ。
一瞬入るの躊躇しましたね爆笑
ビビリなので爆笑

気を取り直して見ていきましょう。
東洋館。一つ目の部屋は壁も床も石!まさに遺跡って感じです。
部屋の正面には「一光三尊仏像」北魏のものだそうで、石灰岩でできた高さ約2.5メートルの仏像です。

右手には、仏像の頭部がいくつかと、東魏の「四方仏碑像」なるものが一つ。
「四方仏碑像」は直方体で、その名の通り四つの側面に一人ずつ仏様がいらっしゃいます。
そして、その下に人っぽい絵がたくさん描かれていて、その横には一人一人を説明するかのように文章が。でも全然読めなーい!
比丘尼なんちゃらーって書いてありました。比丘尼は尼僧のことですね。
いやぁ。拓本って大事だねって身をもって感じました。そのまんまじゃ全然読めねーわ。

左手には「太子思惟の白玉像」
説明には、"北斉 天保4年(A.D.553)"と明確な製造年が!
これはどっかに書いてるぞ!と裏に回ると、あったー!ちゃあんと刻んでありました。

仏像って、文章刻んでるやつが多かったんですけど、どれも、〇〇×年みたいなかんじで始まってて面白かったです。

さて。仏像はこれくらいにして。二階にあがりましょう。
二階は、入った瞬間「ショーケース多っ!」って感じでした。感動。
銅鏡とか甲骨卜辞片とか色々あったんですけど、特に印象に残っているのが、後漢の「鍍金の虎符」です。
お隣にあった「玉握」は一対になってたんですけど、「虎符」は右半分しかありませんでした。太守に配られた方ですね。

虎符といえば、虎ちゃんの全身に篆書で文字が書かれてるイメージだったのですが、今日見たやつは、三、四文字しか書いてませんでした。消えちゃったのか、そもそも字数少なめだったのか。ちなみに大きさは7.5センチとちょっと小さめ。虎ちゃんかわいかったです。

ショーケースの間を縫って進んでいくと、唐代の馬の焼き物がたくさん!
みんなお尻がかわいい笑

他にもラクダさんがいました。
見た目は割と普通のフタコブラクダ
上に人が乗っています。
面白かったのが、ラクダの歯!
虎かライオンかと思うくらい尖ってます。がおー笑笑
確かにラクダさんの歯って上の犬歯二本が結構鋭いんだけど、それにしてもやりすぎだろってなりました笑
絶対誰か噛まれて痛い思いしたんでしょうね。

二階はこれくらいにして、一階のもう一つの部屋(さっきの仏像のとこじゃない方)に行きましょう。

この部屋は青銅器とかをメインに置いています。

青銅器のなかでも目についたのが、青銅壷。
把手に鎖がついています。
写真とかで鎖がついてるのを見ると、ボロボロじゃん吊ったらすぐ割れそう、って思うんですけど、実際に見てみると、意外と丈夫そうでした。生で見るのって大切ですね。

ショーケースに気を取られてて、ふっと後ろを振り返ってびびりました。

\\\\\\\墓門の画像石扉///////

後漢のもので、縦104.7センチ、横67.5センチの縦長です。
右上に窓みたいなのがついていました。

絵は下から、「亭っぽいところで食事をしている人間二人」「亭の右隣に武器を持った兵士が一人」「亭の左隣に立ってる(⁈)魚」「その亭の屋根に虎っぽい動物三匹」「ハトみたいななんの特徴もない鳥が何匹か」「鳳凰みたいな冠羽と尾羽がある鳥一羽」
みたいな感じだった気がする…………(うろ覚え)。
裏面にもなんか描いてたんだけど、暗くて見えなかった。こわーい顔みたいなやつ……。

鳳凰っぽい鳥ちゃん
f:id:Kakousou:20201007172634p:plain

説明によると、祖先神と共食しているらしいです。

兵士の持ってる武器は、うーん。戈かな?
後漢で戈ってちょっと時代遅れな気がしないこともないが、戟っぽくもないし、うーん。

てかなんで魚立ってるんだよ……………。
実は屋根から吊り下げられてるとか?
わからんけど笑

なんか画像石って言ったら、昇仙図とか、龍とか、泰山的なイメージだったけど、仲良くご飯食べてましたね。

さて、画像石はこれくらいにして。

焼き物系も見ていこう。
二階にあったのは、馬さんとかだったけど、こっちは楼閣とか、豚小屋とかです。
結構沢山の豚さんが倒れてるかんじで作られてたので(寝てるだけだと思うけど)、緑釉の猪圏(豚小屋)で豚がぶっ倒れた……とか思ってたんだけど、あ、面白くない?はーい爆笑

緑釉の楼閣
楼閣の窓からは人が三人くらい顔を出していました。作りが細かいわぁ。

緑釉(褐釉だったかも)のかまど
かまどの上にはお魚が描いてありました。
今から調理するところなのかな。

展示室の真ん中に、大きな金属の物体が。
銅鼓です。
東周〜漢代ごろのもので、縦52.6センチ、横68.5センチ。かなり大きいです。
上面には同心円状にいくつもの円が描かれていて、円と円の隙間に模様がびっしり!それも四種類くらいの模様があります。細かーい……。
そして、銅鼓定番のカエルさんがいます。
側面には…………ゾウさん?
ちっちゃいゾウさん(立体)が八体くらいいました。うそやろ……細か……。

にしても全然叩いても音出そうな感じじゃなかった………めっちゃ丈夫そうでした。
なんかもっとペラいかんじなのかと思ってた爆笑


結構長くなった。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
大原美術館は写真撮影禁止なので、行って生で見てほしい。
西洋美術の方が有名ですが、東洋系も意外とありますよ。
大原美術館倉敷市立美術館、自然史博物館が割と近くにあるから、三つまとめて行くのがおすすめです。
近くを通る機会があったら行ってみてくださいね!